大発見!三毛猫の毛色を決める遺伝子 “ARHGAP36”

Cat in Thailand

ARHGAP36(アーガップ36)は、哺乳類のX染色体上に存在する遺伝子で、特に最近の研究では、三毛猫やサビ猫のオレンジ色の毛色に関わることが特定されました。この遺伝子領域に欠失があることでARHGAP36タンパク質の発現が異常に上昇し、ユーメラニン(黒色素)の合成が抑制され、フェオメラニン(オレンジ色素)へのシフトが起こることが示されています。

ARHGAP36の主な特徴

  • X染色体連鎖遺伝子:この遺伝子はX染色体上に位置しており、メスの三毛猫が白・黒・オレンジの3色の毛を持つメカニズムと関連しています。
  • 欠失による発現変化:ARHGAP36遺伝子領域に特定の欠失があると、その発現が過剰に上昇します。
  • 色素合成のスイッチ:ARHGAP36タンパク質の過剰な発現は、黒いユーメラニンの合成を抑制し、オレンジ色のフェオメラニンの合成を促進します。
  • X染色体不活性化との関連:欠失のあるX染色体はランダムに活性化されるため、欠失型X染色体が活性化された細胞ではオレンジ色になり、非欠失型X染色体が活性化された細胞では黒色になることで、模様が作られます。

最近の研究でわかったこと

  • 三毛猫の謎を解明:九州大学を中心とする日本の研究チームが、ARHGAP36遺伝子の欠失が三毛猫のオレンジ色の毛色を決める遺伝子であることを特定しました。
  • 論文発表:この研究成果は、2025年5月16日に科学誌「カレント・バイオロジー」に掲載されました。
  • 広範な影響:ARHGAP36遺伝子におけるこの欠失は広範なネコに共通しており、この表現型の単一の起源を示唆しています。

提供元:

東京大学大学院医学系研究科・医学部 https://share.google/Yc4d3RcVydNy8RakS

Cell Press https://share.google/pjYfrTtbcmEXuk52S